「温かいテクノロジー AIの見え方が変わる 人類のこれからが知れる 22世紀への知的冒険」を読んで

ITエンジニア本大賞2024(https://www.shoeisha.co.jp/campaign/award/result)のベスト10にノミネートされていたので気になって読んでみた。

Lovot(らぼっと)(https://lovot.life/)というペットのようなロボットを作った林要さんのお話。LoveとRobotを組み合わせて作られたLovot、初めて聞いたけれど以前にマツコの知らない世界で紹介されていたらしく妻は知っていた。マツコがメロメロになったようで妻も気になっていたらしい。ただ、50万円するというとどこか遠くへ行ってしまった。

人の役に立つロボットではなく、ペットのように愛されるロボットが作れないか。なぜそのような考えに至ったか、人に愛されるためにはどうすればいいか、何が必要か、何がダメか、様々なことを研究し実験し完成したLovot。知らない事ばかりだったのでとても楽しく読めた。いろいろある中で特におもしろかった点を何点か紹介する。

手がかかる子ほどかわいい

車で考えた時、利便性を追求した故障しにくく燃費がよく静かな車より、パワステが無く窓も手動で車の振動もよく感じるスポーツカーの方が愛される。手間をかけることで次第にいとおしく思えてくる。

手間がかかる、で考えるとペットも同じだと思う。ペットは生活を便利にしてくれるわけでもないのに飼い主からは非常に愛されている。もちろん見た目の可愛さなどもあるけれど、餌を上げたり散歩したり遊んだり構ったりしているとどんどん好きになっていく。

結婚して妻と暮らしていた犬と一緒に過ごすようになるまでは猫派だったのに(もちろん犬も好きだったけれど)、気が付けば犬の方が、というより飼っている犬がとても好きになっている。

手間と時間をかけることでその物が何であろうと好きになっていく。

不気味の谷

ロボットをより本物に似せていくとあるところで不気味の谷と呼ばれる現象に当たる。本物に近づけば近づくほど些細なちがいに違和感を持つようになる。この違和感から警戒されてしまう。

アンドロイドとして人の顔に似せてしゃべるロボットを見ることがあるけれど、何か違和感があり怖くみえてしまう。表情?動き?発声のタイミング?まさにこの違和感を感じていることが不気味の谷と言われていることだった。

読んでみて

人に使ってもらうためには人を知ることがとても大事ということがわかった。自分でも何で好きなのかわからないもの(言語化できていないもの)がたくさんあるのに愛されるものを作る、というのはすごいことだと思う。もっと人間のこと、自分のことがわかればこれから作るソフトウェアやシステムがより良いものになるのかもしれない。

そしてLovotと触れ合ってみたい。我が家には犬がいるけれど、同じペットでも別物なので息子のためにもぜひうちでもLovotを迎えたいが50万はちょっと高くて買えそうにない。どこかで体験できるスペースがあるといいな。